hamachobiの鯉日記

カープに関することを書いていきます

今日のカープ本:ちょっと異色な黒田本。現時点では最良のもの。堀治喜『黒田博樹 男気の証明』

 

黒田博樹 男気の証明

黒田博樹 男気の証明

 

 黒田自身の『決めて断つ』にも書かれていなかった「黒田博樹」という男の生き様を、他の新聞や週刊誌の記事とは、全く違った視点で書いている。

黒田のカープ入団時の寮長やメジャー移籍前の個人トレーナー、さらには黒田の故郷、大阪の住之江の地元の人達などへの取材なんて、ほかのところでは読んだことがない。それだけでも読む価値がある。

特に、元南海のプロ野球選手だった黒田の父と鶴岡一人との関係やその父が作ったボーイズリーグの関係者の話は、とても興味深かった。南海というチーム、鶴岡一人という人間と父の関係が、黒田と広島カープとその関係者との交情がオーバーラップする。できれば、この辺りをもっと読みたかったなぁ。

でも、今のところ、「黒田博樹」に関する言説としては最も良質で読ませるものだった。これからも、黒田博樹に関する著作は、多く出されるだろうが、これを超えるものは出てくるのだろうか。

巻末の黒田へのカープのオファーについてのブログの記事で物議を醸した広尾晃氏との対談もオススメ。