hamachobiの鯉日記

カープに関することを書いていきます

今日のカープ本:大野豊・野村謙二郎『広島カープ最強伝説の幕開け (宝島社新書)』

 

 カープセ・リーグ優勝が決まってから、いろんな関連本が出たけど、この大野豊野村謙二郎の本は、新書判ながら、なかなか面白い。

それぞれが優勝の要因を挙げ、自分たちの現役、監督・コーチ時代の経験・思い出を述べたのちに、二人の対談で終わるという構成。

投手と野手という違い、時代も重なりつつも、かたや黄金期を知る大野、もう一方の野村謙二郎は最後の優勝だった91年は知りながらも、その後の長い低迷期を現役、監督として経験してきた違い。なかなかいい対比で絶妙な人選だったかもしれない。

一番面白かったのは、大野が語ったマエケンの不在がむしろ黒田と若い投手陣の壁をなくしてプラスに働いたのでないかということ。チーム・マエケンに対してもチクリと一言言ってみたりと、大野としてはマエケンの実力や人柄は認めながらも、圧倒的な実力を持つマエケンに頼ってしまっていたことに、この数年間の優勝に至らなかったことの一因を見ているようだ。

大エースを失って初めて戦う集団になれたということなんだろう。そして、そこに闘争心の塊のような黒田がいた。

この本のタイトルとおり、最強伝説が始まるような気がする。始まりますように。